一部のマネー誌には、「チャートを研究すれば、いまが上昇傾向か、下降傾向かが一目でわかります」とか、「株が底値近辺にあるときは、ローソク足の幅が短くなってくるので、そういう動きに注目して買いの研究を始めましょう」などと訳知り顔で書いてあります。 こういう情報の発信は本当に罪作りだと思います。

チャートの勉強をする暇があったら、仕事に精を出したほうがいいのです。 Y氏も「マネー誌などにあるチャートにもとづいておこなうような個人向けの投資アドバイスは有害だ」と断言しています。
どんなに研究して買った株でも下がることはあります。 しかし、株式市場はいつか必ず戻すときがきます。
前にも述べたように、資本主義経済は経済成長なしに生きることはできないので、株式市場が永遠に下がったままもとに戻らないという時代がもしあるなら、それは株で損するどころか、あなたは仕事を失い、収入がなくなっているかもしれないような経済状況になっているはずです。 だから、もっと楽観的に長期的なスタンスで株を買うべきなのです。
そのときはチャートにこだわって買う必要などないのです。 さあ、プロのポートフォリオ・マネージャーと勝負しましょう。
機関投資家といっても、しょせんはその世界における一介のサラリーマンにすぎず、いろいろな業界の専門家ではないということに考えをめぐらせてください。 たとえばあなたが鉄鋼業界の人だとしましょう。
生命保険会社の機関投資家が鉄鋼業界のことに、あなた以上に詳しいわけがありません。 ですから、かれらはシンクタンクなどの鉄鋼産業のアナリストに話を聞くのですが、アナリストだってあなた以上に業界のことにくわしくはありません。
そこで、アナリストは鉄鋼業界の人にインタビューをして情報を取ることになります。 つまりいくら情報量とスピードで圧倒的に個人に勝る機関投資家といえども、あなたが働いている業界については、あなたのほうが情報量もスピードも勝っているのです。
その分野に限っては、先に述べた個人投資家と機関投資家の情報格差が逆転します。 あなたのほうがかれらよりも先に情報が取れるのです。
機関投資家のほうが2番手の情報しか取れなくなるのです。 鉄鋼業界に対する市場の見方が、自分の直感や見方と違うとしたら、これは大チャンスの到来です。

「機関投資家のやつらは何もわかっていない」と思って、長期保有を前提に鉄鋼株を買えばいいのです。

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